「天命に生きるということ」北尾吉孝先生に学んだ三年間

私がSBIホールディングスの北尾吉孝CEOを知ったのは、まず一冊の書物を通してのことでした。「何のために働くのか/北尾吉孝」。経営者として、そして一人の人間としての北尾先生の言葉に触れるたび、私は計り知れない学びと刺激をいただいてまいりました。

ページをめくるごとに、ただ商売の巧拙を超えた、人としての生き方そのものが説かれている。いつしか書棚に並ぶ先生のご著書は、私の迷いを正してくれる羅針盤となり、人生の指針そのものとなっていったのです。

四十二歳を迎えたとき、私は改めて経営を本気で学び直したいと考えるようになりました。事業家として時代のトレンドと向き合う日々を重ねるなかで、目先の損益を超えた、より大きな視座が自分には必要だと痛感していたのです。そうして私は、MBA、経営学修士を志しました。海外の名門校で学ぶという選択肢も、確かに目の前にはありました。しかし私の心は、迷うことなく一つの答えにたどり着いたのです。

「どこで学ぶかではなく、誰のもとで学ぶか」

著作を通じて長く敬慕してきた北尾吉孝先生、その方のもとで学びたい。その一心で、私は四十二歳にしてSBI大学院大学の門を叩きました。

それからの三年間は、寝る間も惜しんで学び続けた日々でした。仕事を抱えながらの学びは決して平坦な道のりではなく、机に向かったまま夜を明かすことも一度や二度ではありませんでした。

それでも、知らないことを知る喜び、わからなかったことが腑に落ちる手応えが、私を支え続けてくれました。今振り返れば、あの三年間こそ、私の人生における何ものにも代えがたい、大きな大きな財産となっております。

修身教授録/森信三

中でも、他の大学院では決して得ることのできない「人間学」を学べたことは、私にとって計り知れない意味を持ちました。経営の技術や理論はどこででも学べるかもしれません。

しかし、人としていかに生きるべきか、何を大切にして道を歩むべきかという根本を、これほど真正面から問われる場は、他にはなかったのです。

北尾先生から直接その教えを授かり、とりわけ大宇宙の法則である陰陽五行の活用術に触れたときの衝撃は、今もはっきりと胸に焼きついております。世の中の事象が、人の運命が、目に見えぬ大きな理の中で動いている。

その視座を得たことで、私は人生のトレンドを見極める目利き力を養うことができました。そして何よりも、天命に生きることの大切さを、心の底から知ることができたのです。自分はいったい何のために生まれ、何を成すべきなのか。

その問いに正面から向き合えるようになったことは、私の生き方そのものを変えました。本当にありがたく、感謝の念に堪えません。

加えてありがたいことに、現在はもう開講されていない北尾先生の授業において、私は過去最高得点という評価を頂戴いたしました。これは決して私一人の力によるものではなく、ひとえに先生のご指導の賜物であり、

また、その教えに必死で食らいついた三年間の時間が形になったものだと思っております。あの評価をいただいた日のことを、私は今も誇りとともに思い起こします。心より御礼を申し上げる次第です。

また在学中の一年間、私は学生会の会長を務めさせていただきました。年齢も経歴も様々な、しかし誰もが高い志を抱いた多くの学友と出会い、夜を徹して語り合い、互いに切磋琢磨できたことは、生涯忘れることのできない、かけがえのない体験でした。一人では決してたどり着けない景色を、仲間とともに見ることができた。あのときに結ばれたご縁は、今も私の大切な宝物です。

私たちは、限られたこの人生の中で、いったい何のために生きるのか。北尾先生から授かったその問いを、私は今も常に胸に抱き続けております。

お金を増やすこと、事業を大きくすること、それ自体が目的ではありません。経済活動を通じて世の中の役に立ち、社会に貢献していくこと。そして、自らが学び得たものを次世代を担う子供たちへと手渡し、その志を継承していけるようなメッセージを伝え続けていくこと。それこそが、私に与えられた天命なのだと、今は確かに感じております。

北尾吉孝先生から賜った学びと志を胸に、私はこれからも歩んでまいります。

改めて、心からの感謝を込めて。

福士健太郎